Ⅰ. フィリピン人｢慰安婦｣問題の特徴(吉見義明)
　日本軍による強姦事件と慰安所
　フィリピンでの徴集方法は
Ⅱ. 現代につながる女性の人権問題―国際的な流れから見た｢慰安婦｣問題(松井やより)
　たちあがる被害者たち
　夫や子どもの支え
　｢女性の権利は人権｣
　日本を告発する二人の｢あけみ｣
Ⅲ. フィリピン ｢従軍慰安婦｣問題のはじまりと本質(高木健一)
　はじまり
　フィリピンのローラたちと運動体
　フィリピン ｢従軍慰安婦｣制度の特徴
　フィリピン ｢従軍慰安婦｣裁判の意味
　個人補償請求権の確立
Ⅳ. 証言
　医師になることが夢だったのに…/マリア·ロサ·ルナ·ヘンソン
　父を殺され､ 将來を破壊された/トマサ·サリノグ
　かくされていた山から連行され/ルフィーナ·フェルナンデス
　それまでの生活が一気にくずれた/N·ヘルテルデス·バリサリサ
　ロープで後手にしばられ/パシータ·サンティリアン
　一カ月間監禁された/ロシータ·パカルド·ナシーノ
　毎週､ 医師の検査があった/レメディオス·ヴァレンシア
　毎晩､ 日本兵が家にやってくる/アデリーナ·マフエロ
　五十人の日本兵がやってくる/フェリシタス·ハンポリナ
　ゲリラの妻と疑われ/ピラー·F·フリアス
　父·母·姉を殺され/ルシア·ミサ
　最初に強かんした兵士を告発したい/オルテンシア·マルティネス
　三人いっしょに逃げた/アンドレサ·フェルナンデス
　殺される直前に必死で逃げた/ロベルタ·バカリァ
　十人が監禁されていた/テオドラ·コグロン·インテス
　いとこの誕生パーティーで/レメディオス·エストルニノス·フェリアス
　幸せに暮らしていたのに/フェリシカード·ヒラド·ポリカルピオ
　いまもその場所を覚えている/ユティキアナ·リビエラ
　記憶がとぎれがちになり/レクシー·テオドーロ·ポルカ
Ⅴ. 被害状況と現状(横田雄一)
　戦時中の被害
　被害の実態
　戦後五十年の意味
Ⅵ. フィリピン占領史(佐藤芳嗣)
　フィリピンの概要
　日本のフィリピン占領と軍政
　日本軍からの解放
　日比双方の犠牲者
Ⅶ. 日比賠償交渉とその帰結(中島光孝)
　はじめに
　日本軍侵略によるフィリピンの損害
　損害の賠償
　日比賠償交渉
　日比賠償交渉の帰結
Ⅷ. 国に対する請求の法的構成と問題点(武村二三夫)
　請求権の考え方
　ハーグ第四条約(陸戦ノ放棄慣例二関スル条約)
　｢人道に対する罪｣違反
　フィリピン国内法
　請求権放棄問題
Ⅸ. リラ·ピリピーナ群像
　優しい人柄と悲しい死/シンプリシア·マリラグ·チュア
　日本と日本人へのアピール/アモニタ·バラハディア
　ミス·太平洋から女性解放の闘士へ/ネリア·サンチョ
　学生運動から女性の人権運動へ/インダイ·サホール
　組合運動から女性解放運動へ/カルメリータ·ヌクイ
　資料 1 元 ｢慰安婦｣たちに正義の回復を―日本政府に謝罪と補償を求める意見広告
　2 元 ｢慰安婦｣たちをめぐる世界の動き
　3 フィリピン侵略､ ｢慰安婦｣問題関係年表
参考文献
あとがき