裁かれた戦時性暴力「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」とは何であったか
女性国際戦犯法廷フォト·ギャラリー
まえがき(松井やより)
第Ⅰ部 女性国際戦犯法廷という時空がもたらしたもの
第1章 法律と悲しみと―女性国際戦犯法廷傍聴記(ノーマ·フィールド)
大人の泣き声
おんなどうし
型破り
歴史の時間
説明すること
みにくい鍵
真実が語られることの喜び
信念の共同体
若い女性、 そして日本
誇りとは
法廷が終わって
第2章 被害者の尊厳回復と「法廷」-「証言」とは何であったか(西野瑠美子)
証言―凍りついた記憶
証言が明らかにした性奴隷の正体
性奴隷の刻印と支配
ジェンダーと沈黙
加害兵士の証言の意義
「昭和天皇ヒロヒト有罪」の判決がもたらしたもの
第3章女性国際戦犯法廷と国際法およびジェンダー正義(クリスチーヌ·チンキン/VAWW-NETジャパン訳)
「法廷」開催の背景
公正·厳格に行なわれた 「法廷」審理
法は政府だけのものではなく市民社会の道具である
はじめてのジェンダー正義を求める民衆法廷
第4章「法廷」にみる日本軍性奴隷制下の加害と被害(林博史)
被害事実と加害事実のつきあわせ
明らかにされた新事実
被害者の被害の深刻さ―今日にいたる被害
日本軍による性暴力の全体像
詰めきれなかった問題
実証と証言
日本軍の性暴力についての調査研究の課題
第Ⅱ部 ポストコロニアリズムとジェンダー
第5章 日本人 「慰安婦」を不可視にするもの(藤目ゆき)
日本人 「慰安婦」被害の公訴
[日本人 「慰安婦」を可視化する 「慰安婦」とさせられた貧困層の
女性たち 「慰安婦」被害は被害者の前歴によって左右されない]
日本人 「慰安婦」の数と女性史研究の課題
[「公認数=二」との葛藤 日本人 「慰安婦」の数をめぐって]
第6章 植民地支配の犯罪性と女性国際戦犯法廷(宋連玉)
植民地支配による被害を象徴する元 「慰安婦」の生涯
「法廷」で残された課題
[公娼制度と「慰安婦」制度をめぐって 軍隊犯罪の連続性を断ち切るために]
第7章 女性国際戦犯法廷の成果と残された課題(金允玉/山下英愛訳)
法廷までの過程と成果
残された問題と今後の課題
第8章 アジアにおける戦争と賠償と和解について(マーク·セルデン/野崎与志子訳)
植民地国に対する犯罪を問う
国際的フェミニズムの出現
ドイツ、 日本そしてアメリカの戦後責任の取り方
第Ⅲ部 司法からみた女性国際戦犯法廷
第9章 民事裁判からみた 「法廷」判決(横田雄一)
共感共苦(compassion)に発する 「法廷」判決
日本の戦後補償運動の限界をも直撃
個人に国際法上の請求権ありを前提
原告側を支える 「認定の概要」の法的見解
ジェンダー偏向に対する断罪
国際人道法の発展と再確認
性差別社会·国家との徹底対決へ
第10章 国際人権·人道法と女性国際戦犯法廷(戸塚悦朗)
「売春から性奴隷へ」のパラダイム転換
[国内的救済が実効的でないとき機能する国連人権機構 国連で起きたパラダイムの転換]
女性国際戦犯法廷
[女性国際戦犯法廷の判決について 女性国際戦犯法廷の意義 女性国際戦犯法廷の限界と問題点
今後の展望
[「法廷」と男性中心社会日本 「法廷」と国際社会]
第11章 女性国際戦犯法廷が国際刑事裁判所にもたらすもの(東澤靖)
「従軍慰安婦」問題が国際刑事裁判所にもたらしたもの
[ICCと性暴力の処罰 性暴力を国際犯罪と認めさせた原動力]
女性国際戦犯法廷を支えたICCの規程と思想
[女性国際戦犯法廷 「憲章」の作成 女性国際戦犯法廷を支える国際法理論 国際市民法廷の権限と性格]
「法廷」の判決を国際法の一部としていく試み
第Ⅳ部 女性国際戦犯法廷をめぐる言説/映像空間
第12章 「法廷」とナショナル·メディアの沈黙(吉見俊哉)
沈黙する日本のメディア
何が語られなかったのか
黙殺の背後にあるものは?
ETV2001番組改竄が映し出したこと
メディアの語りが成立するのはどこか
第13章 女性国際戦犯法廷の取材と報道を通して(インタビュー)
メディアの「女性国際戦犯法廷」報道格差から見えるもの
法廷取材/報道をとおして
[問題の所在を知っていること国際法の進展への興味]
報道の限界
[記者の関心が薄いこと、 東京では情報が埋没するという特殊性マスコミは忘れやすい 天皇に関する報道規制はあるのか]
第14章 「法廷」をめぐるNHK番組改変を問う(西野瑠美子)
ついに国会の場で問題に
番組が目指していたもの
何が消されたのか?
公開質問状に対するNHKの回答
NHKに何が起こったか?
公平·中立とは何か?
第15章 沈黙を強いられたのは誰か―NHK番組改変問題·テレビ映像における捏造(北原恵)
フィクショナルな“時間”と“空間”
周縁化された〈女〉
第Ⅴ部 思想的事件としての女性国際戦犯法廷
第16章 女性国際戦犯法廷が乗り越えたものと乗り越えなかったもの(金富子)
国家による裁判を越えて―民衆法廷としての実践
[公正な審理によって判決は出された 「民衆法廷」でこそなしうること]
「国境を越えるフェミニズム」の実験
[ナショナリズムをのり越える可能性 ナショナリズムをのり越える困難性]
公娼/「慰安婦」の二分法を超えるために
[日本出身の「慰安婦」被害者の存在 公娼出身 「慰安婦」の存在]
第17章 「天皇ヒロヒト有罪」がもたらすもの(鈴木裕子)
日本のフェミニズムと「慰安婦」問題
[戦前日本の主流的フェミニズム― 「帝国のフェミニズム」 戦後女性運動と「慰安婦」問題]
近現代女性史における天皇翼賛と反天皇制の系譜
「ヒロヒト有罪」がもたらすもの
第18章 女性国際戦犯法廷で裁かれたもの(高橋哲哉)
女性国際戦犯法廷の意義
[意義〈その1〉-戦前との連続を断つ試み 意義〈その2〉―東アジアでの平和秩序構築 意義〈その3〉-過去の克服のグローバル化 国際人道方法に届いた被害者の声]
正義について
[不可欠な 「正義」の要請 「人権」は普遍性要求を内包している 法による正義とは]
「女性法廷」と今後の課題―象徴天皇制をどうするか
[扶桑社版·歴史教科書の「皇国史観」 昭和天皇有罪判決が報道されなかったこと天皇中心の物語を克服する]
[資料]
「女性国際戦犯法廷」憲章全文 VAWW-NETジャパン訳
日本軍性奴隷制を裁く二〇〇〇年 「女性国際戦犯法廷」検事団およびアジア太平洋
地域の人々対 天皇裕仁ほか、 および日本政府 認定の概要 VAWW-NETジゃパン訳
あとがき(西野瑠美子/金富子)
執筆者紹介
まえがき(松井やより)
第Ⅰ部 女性国際戦犯法廷という時空がもたらしたもの
第1章 法律と悲しみと―女性国際戦犯法廷傍聴記(ノーマ·フィールド)
大人の泣き声
おんなどうし
型破り
歴史の時間
説明すること
みにくい鍵
真実が語られることの喜び
信念の共同体
若い女性、 そして日本
誇りとは
法廷が終わって
第2章 被害者の尊厳回復と「法廷」-「証言」とは何であったか(西野瑠美子)
証言―凍りついた記憶
証言が明らかにした性奴隷の正体
性奴隷の刻印と支配
ジェンダーと沈黙
加害兵士の証言の意義
「昭和天皇ヒロヒト有罪」の判決がもたらしたもの
第3章女性国際戦犯法廷と国際法およびジェンダー正義(クリスチーヌ·チンキン/VAWW-NETジャパン訳)
「法廷」開催の背景
公正·厳格に行なわれた 「法廷」審理
法は政府だけのものではなく市民社会の道具である
はじめてのジェンダー正義を求める民衆法廷
第4章「法廷」にみる日本軍性奴隷制下の加害と被害(林博史)
被害事実と加害事実のつきあわせ
明らかにされた新事実
被害者の被害の深刻さ―今日にいたる被害
日本軍による性暴力の全体像
詰めきれなかった問題
実証と証言
日本軍の性暴力についての調査研究の課題
第Ⅱ部 ポストコロニアリズムとジェンダー
第5章 日本人 「慰安婦」を不可視にするもの(藤目ゆき)
日本人 「慰安婦」被害の公訴
[日本人 「慰安婦」を可視化する 「慰安婦」とさせられた貧困層の
女性たち 「慰安婦」被害は被害者の前歴によって左右されない]
日本人 「慰安婦」の数と女性史研究の課題
[「公認数=二」との葛藤 日本人 「慰安婦」の数をめぐって]
第6章 植民地支配の犯罪性と女性国際戦犯法廷(宋連玉)
植民地支配による被害を象徴する元 「慰安婦」の生涯
「法廷」で残された課題
[公娼制度と「慰安婦」制度をめぐって 軍隊犯罪の連続性を断ち切るために]
第7章 女性国際戦犯法廷の成果と残された課題(金允玉/山下英愛訳)
法廷までの過程と成果
残された問題と今後の課題
第8章 アジアにおける戦争と賠償と和解について(マーク·セルデン/野崎与志子訳)
植民地国に対する犯罪を問う
国際的フェミニズムの出現
ドイツ、 日本そしてアメリカの戦後責任の取り方
第Ⅲ部 司法からみた女性国際戦犯法廷
第9章 民事裁判からみた 「法廷」判決(横田雄一)
共感共苦(compassion)に発する 「法廷」判決
日本の戦後補償運動の限界をも直撃
個人に国際法上の請求権ありを前提
原告側を支える 「認定の概要」の法的見解
ジェンダー偏向に対する断罪
国際人道法の発展と再確認
性差別社会·国家との徹底対決へ
第10章 国際人権·人道法と女性国際戦犯法廷(戸塚悦朗)
「売春から性奴隷へ」のパラダイム転換
[国内的救済が実効的でないとき機能する国連人権機構 国連で起きたパラダイムの転換]
女性国際戦犯法廷
[女性国際戦犯法廷の判決について 女性国際戦犯法廷の意義 女性国際戦犯法廷の限界と問題点
今後の展望
[「法廷」と男性中心社会日本 「法廷」と国際社会]
第11章 女性国際戦犯法廷が国際刑事裁判所にもたらすもの(東澤靖)
「従軍慰安婦」問題が国際刑事裁判所にもたらしたもの
[ICCと性暴力の処罰 性暴力を国際犯罪と認めさせた原動力]
女性国際戦犯法廷を支えたICCの規程と思想
[女性国際戦犯法廷 「憲章」の作成 女性国際戦犯法廷を支える国際法理論 国際市民法廷の権限と性格]
「法廷」の判決を国際法の一部としていく試み
第Ⅳ部 女性国際戦犯法廷をめぐる言説/映像空間
第12章 「法廷」とナショナル·メディアの沈黙(吉見俊哉)
沈黙する日本のメディア
何が語られなかったのか
黙殺の背後にあるものは?
ETV2001番組改竄が映し出したこと
メディアの語りが成立するのはどこか
第13章 女性国際戦犯法廷の取材と報道を通して(インタビュー)
メディアの「女性国際戦犯法廷」報道格差から見えるもの
法廷取材/報道をとおして
[問題の所在を知っていること国際法の進展への興味]
報道の限界
[記者の関心が薄いこと、 東京では情報が埋没するという特殊性マスコミは忘れやすい 天皇に関する報道規制はあるのか]
第14章 「法廷」をめぐるNHK番組改変を問う(西野瑠美子)
ついに国会の場で問題に
番組が目指していたもの
何が消されたのか?
公開質問状に対するNHKの回答
NHKに何が起こったか?
公平·中立とは何か?
第15章 沈黙を強いられたのは誰か―NHK番組改変問題·テレビ映像における捏造(北原恵)
フィクショナルな“時間”と“空間”
周縁化された〈女〉
第Ⅴ部 思想的事件としての女性国際戦犯法廷
第16章 女性国際戦犯法廷が乗り越えたものと乗り越えなかったもの(金富子)
国家による裁判を越えて―民衆法廷としての実践
[公正な審理によって判決は出された 「民衆法廷」でこそなしうること]
「国境を越えるフェミニズム」の実験
[ナショナリズムをのり越える可能性 ナショナリズムをのり越える困難性]
公娼/「慰安婦」の二分法を超えるために
[日本出身の「慰安婦」被害者の存在 公娼出身 「慰安婦」の存在]
第17章 「天皇ヒロヒト有罪」がもたらすもの(鈴木裕子)
日本のフェミニズムと「慰安婦」問題
[戦前日本の主流的フェミニズム― 「帝国のフェミニズム」 戦後女性運動と「慰安婦」問題]
近現代女性史における天皇翼賛と反天皇制の系譜
「ヒロヒト有罪」がもたらすもの
第18章 女性国際戦犯法廷で裁かれたもの(高橋哲哉)
女性国際戦犯法廷の意義
[意義〈その1〉-戦前との連続を断つ試み 意義〈その2〉―東アジアでの平和秩序構築 意義〈その3〉-過去の克服のグローバル化 国際人道方法に届いた被害者の声]
正義について
[不可欠な 「正義」の要請 「人権」は普遍性要求を内包している 法による正義とは]
「女性法廷」と今後の課題―象徴天皇制をどうするか
[扶桑社版·歴史教科書の「皇国史観」 昭和天皇有罪判決が報道されなかったこと天皇中心の物語を克服する]
[資料]
「女性国際戦犯法廷」憲章全文 VAWW-NETジャパン訳
日本軍性奴隷制を裁く二〇〇〇年 「女性国際戦犯法廷」検事団およびアジア太平洋
地域の人々対 天皇裕仁ほか、 および日本政府 認定の概要 VAWW-NETジゃパン訳
あとがき(西野瑠美子/金富子)
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