徳興里壁画古墳の前室北壁の入口左側に描かれた墓主の肖像画のうち、簫を演奏する侍者の詳細図である。
高句麗の楽器は、打楽器、管楽器、弦楽器で構成されている。簫は高句麗の時代から現在まで雅楽に使用されている管楽器の一つで、底が塞がった細い竹の管を、木を削って作った枠に並べて配置したパンパイプの一種である。各管の上側を短簫(韓国の伝統楽器)の吹き口のように細工し、そこに下唇をあてて音を出すのだが、1本の管では1つの音だけを出すことができる。簫を吹く侍者も頭に頭巾(古代の帽子の一種で、布地で頭全体を覆い後方で結んだ)をかぶっている。