Title | 前室_北側柱_柱頭正面_鬼面2 | ||
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前室北柱のうち、第四柱の柱頭の正面に描かれた鬼面紋の姿である。大きく見開いた緑の目に長く白い眉毛を翻して、まるで猛獣のような牙を剥いた歯を白く表し、咆哮するように口を開けている。大概の雑鬼神は、怖くて近づくこともできないほど獰猛な威厳を示している。顔の周辺には、真っ白なたてがみがあり、さらなる険相を形成している。
鬼面紋は文字通り荒々しくも恐ろしい鬼神の顔を紋様として描いたもので、邪気や雑鬼神を退けるために、古くから瓦や壁画に多く愛用されていた辟邪(邪悪な気運や鬼神を退けるという意味)の意味を持つ紋様である。墓主夫妻が何の邪魔もなく、彼らだけの居所である墓の中で永遠の安息をとることができるように祈願する子孫の切なる孝行心がたっぷり込められた壁画といえる。