Title | 人物 01 | ||
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徳興里壁画古墳の玄室西壁の左側上段の馬射戯(疾走する馬上から的に矢を射る遊び)の場面に描かれた、騎馬人物の詳細図である。
普段着姿のこの3人は、全員がチョゴリとパジ(ズボンに似た下衣)姿で頭には黒い頭巾(古代の帽子の一種で、布地で頭全体を覆い後方で結んだ)をかぶっている。頭巾は一般に身分の低い階級が使うものだが、高い職位にある人々も狩りや野外活動をする際には、活動性に優れた頭巾を着用した。左端の人物の前には「射戯注記人」という銘文があり、これらの人物は選手たちの点数を計算して記録する審判官たちであることを示している。したがって、壁画の内容も、1人は筆を持って紙に点数を記録し、他の2人は選手たちが反則をしないか、点数は何点なのかを詳細に観察する光景から構成されている。
馬射戯の光景は、高句麗人の尚武精神を確認することができる、良い壁画資料である。高句麗人の戦闘力の強さは、まさにこのような馬上弓術遊びや狩猟活動を通して訓練されたものと思われる。