Title | 木造建築構造 | ||
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徳興里壁画古墳の玄室西壁の天井部分に描かれた、屋根の詳細図である。玄室の天井部分は穹窿形と平行持送式が混合した建築構造であるが、屋根を表す建築部材は穹窿形天井部分に描かれている。画面に見えている屋根の構造は、上下2重に梁を置き、その間に人字形の割束(大梁の上の2重梁または桁を支える短い柱)と蟇股を重ね合わせて積み上げた姿である。
前室が現実世界と天上世界に区分されているのとは異なり、玄室は墓室全体が天上の極楽世界に建てられた華やかな建築物を象徴している。したがって、屋根の上に描かれた火焔文は、玄室北壁に描かれた墓主夫妻が俗世間のすべての罪と欲望を焼きはらい、仏教の極楽世界に新たに生まれ変わって生活している姿を暗示しているようである。