Title | 西北壁の第3支石(側面の麒麟の詳細図) | ||
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第3支石の西北壁側面に描かれた麒麟のうち、左側の麒麟の詳細図である。麒麟は中国古代の想像上の動物で、その姿は時代によって異なるが、全体的なイメージとしては、体は鹿と似ており、頭には角があるという。雄は麟、雌は麒といい、雌には角がない。特に一角獣である雄の麒麟は、ヨーロッパのユニコーンと混同されやすい。儒家思想が台頭してから、麒麟は仁徳のある王者や聖人が出現したときのみ人目につくといわれ、仁獣とも呼ばれた。また、鳳凰、亀、竜とともに四霊とも呼ばれる。
画面に見えている麒麟は、鹿のように胴体に黒いまだらの跡が残っており、全体的に鹿と非常に似た姿となっている。また、詳しくはわからないが、頭に角のような跡が残っていると判断される。麒麟の首の後ろには青竜と白虎に見られる火焔形の赤いたてがみが付いていて、神獣としての性格が強調されている。麒麟が象徴する意味を考えてみると、おそらく死後の世界の守護者として描かれたようである。