Title | 東壁の第2支石(側面の天人の詳細図) | ||
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天衣を羽織って飛行する天人(天上の人物)は、一般的に羽衣(仙人の衣服で、衣の裾が鳥の羽のように分かれた羽の服)を着て登場する東アジアの伝統的な仙人の形とは異なる。天人は、仏教の天人像の影響によって中国の南朝から始まった仙人の一種である。これらは天衣に頼って飛行する天人と、天衣を羽織り乗り物も利用する混合型の天人の2種類に分けられる。
画面に見えている天人は、天衣に頼って飛行する姿で、身体の姿勢と風にはためく天衣の様子から、仏教美術の中の優雅な天人像が連想される。このように細長く美しい姿を見せる道教の人物は、漢代の獣型に近い仙人から大きく発展したもので、中国南朝美術の新たな傾向を反映したものである。すっきりした黒の輪郭線や、赤と白を使って華麗でありながらも簡潔に処理された色合いが、風になびくような天人の姿をとても軽快に表現している。風にはためく天人の天衣の下に雲文様を表現して、運動感を強調した。