Title | 隅柱の文様 | ||
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徳興里壁画古墳の前室西壁の隅に描かれた、木柱の詳細図である。徳興里壁画古墳の前室壁面の四隅には、斗栱が組まれた柱を描き入れ、まるで実際の家屋のような雰囲気を醸し出している。これは古代人の霊魂不滅思想のような死後の世界観に起因するものである。つまり古代人は、肉身は死んでも魂は死なずに永遠に続くものと信じたのであり、そのような信念から、墓を部屋付きの現実の家屋のような形に築造したのである。そして、死者の魂が住む墓には現実の家屋の形を真似て、柱と斗栱、桁などの木材建築物の部材が壁画にも表現された。
画面に見えている柱には、黒い墨線で雲文様の形の装飾文様が描かれており、この墓の空間が現実世界に属しているのではなく、死後の世界に属していることを暗示している。