Title | 前室_東壁_詳細_手搏戱_顔(右) | ||
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右側にいる壮士の上体詳細部分である。顔の目鼻立ちが左側の壮士に比べて非常に明確に残っている。弓のように丸く描写された太い眉毛、目尻が上に上がった細長い目、短く平べったい鼻、分厚い唇、そして鋭く力強く伸びた髭などから、一目で強大な力を持つ壮士であることが分かる。特に、現在も鮮明に残っている髭は、まるでサムソンの髪のように怪力を発散するかの如く、一本一本力強く描写されている。首を横切る三本のしわと垂れ下がった胸の筋線、膨らんで横に張った腰の線などからも、どっしりとした壮士の力が感じられる。
壁画の制作手順は、まず赤線でおおよその下絵を描き、その上に白や黒で彩色を加えた後、最後に黒線を使って輪郭線を完成させている。この制作技法は、この壮士の右手と下衣で最もよく確認できる。