- 高句麗と渤海
- 安岳3号墳
| Title | 前室_南壁(入口東側)_儀仗隊列_詳細人物(文官) | ||
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前室_南壁(入口東側)_儀仗隊列_詳細人物(文官)
前室南壁の墓入口の東側壁の上段に描かれた儀仗隊列の中で、両手で赤い旗を立てて持っている文官の詳細図である。まず衣冠を見ると、頭には帽子の後ろ部分の山が二股に分かれて前に曲がった文官用幘をかぶっている。幘の前部分の額を包み込む部分が黒ではなく赤でデザインされ、とても華やかで見映えがする。衣服は、文官たちが主に着る袖の広い赤の長いトゥルマギ(外套)の形の袍を羽織っており、腰には帯を締めている。特に、最も擦り減りやすいトゥルマギ(外套)の襟ぐりや袖口、裾には、色の異なる布をつけて実用性と装飾性のいずれも兼ね備えている。このような布を「襈」と呼ぶ。襈は、ツルあるいはタンチョウの翼端や喉にある黒い羽を模した衣服形式で、シベリアシャーマニズムの影響と見られる。黒の細いひだの間に太く処理された赤のひだが見え、平面的な絵でボリューム感を強調したかのように、立体的な効果をもたらしている。人物の顔は、目鼻立ちは大体似ているが、顔の形に差をつけてそれぞれの個性を生かそうとした努力が伺える。この絵を制作した画工の高い人物画の水準を垣間見ることができる。