Title | 前室_南壁(入口西側)_角笛を吹く人 | ||
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前室南壁入口西側壁の上段に描かれた角笛を吹く人である。両手で弓のように曲がった角笛を持ち、一生懸命に息を吹き込んで楽器を演奏している状態である。衣冠を見ると、頭には巾(古代の帽子の一種で、布で頭全体を巻いて後ろで束ねた)を巻き、体には、襟ぐりや袖口、裾に黒の襈をめぐらせたチョゴリと足首まで下りながらバジの筒が狭くなる窮袴を着用している。人物の足の下には全体壁面を二段に分けている黒の横の墨線が見える。まるで定規を当てて引いたかのように、非常にまっすぐな線である。
この人物の左側上段にも壁画の痕跡が発見されている。細くて長い管が右側の角笛と対称的に曲がっている姿が、また別の角笛ではないかと思われる。現在は他の部分の壁画がすべて剥落し、跡形もなく破損した状態であるため正確には言えないが、おそらく二人の奏者が互いに向き合って角笛を演奏していたと推察できる。