Title | 前室_南壁(入口西側)_楽隊 | ||
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前室南壁入口西側壁の下段に描かれた楽隊である。全部で四人の人物が登場しているが、袖が広く作られたトゥルマギ(外套)を着ている。特にトゥルマギ(外套)が華やかに飾られ、女性と誤認されることもあるが、頭に冠帽をかぶっている男性の楽隊である。高句麗古墳壁画の楽隊は大抵女性ではなく男性で構成されている。おそらく、この当時の楽器が太鼓や角笛など力を必要とするものであり、楽隊の主な役割が兵士たちの行列を導くことであるため、男性であったのではないかと思われる。人物の姿勢は地面にひざまずいている姿勢で、楽器を演奏している。人物の顔など上半身の剥落が深刻で、誰がどの楽器を演奏しているのかは把握できない。幸いなことに、一番左側前の壁にかかっているかのような太鼓が見える。もしこの太鼓さえも破損していたら、この絵が楽隊を表現したものなのかその本来の姿を知るのが難しかっただろう。