Title | 東側室_西側_入口南側 | ||
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東側室の西壁入口南側に描かれた馬小屋の絵である。画面には、三頭の馬が並んで飼い葉桶の飼い葉を食べている瞬間が捉えられている。絵画的技法を見ると、まず飼い葉桶と馬を斜めに処理して遠近感を暗示しようとしている。馬小屋の下には鉄柵を設置し、馬が走って遊べるように放牧場を別に備えていたのが見える。
この馬たちは、貴族男性の外出あるいは狩りのような日常生活や、戦争のような重要な国家的大事を行う緊要なときに使用される非常に重要な動物であった。古代の馬は、移動手段や戦闘馬として非常に重要な役割を果たしていた。さらに、北方騎馬民族の後裔である高句麗人にとって、馬はさらに大切な動物だった。馬の扱いを間違えて死なせた者は賎民に転落したり、重刑に処されたりするほどであったことから、その愛重する心がどれほどであったか想像できる。
高句麗古墳壁画に登場する馬は、中央アジアの「汗血馬」とは異なり、小柄であった。その大きさがどれほど小さかったか、果樹の下を通ることができることから「果下馬」とも呼ばれていたという。また『三国志』には「馬の背が低いので山をうまく登る」という記録があるが、壁画の馬図と文献の内容が一致していることがうかがえる。