Title | 西側室_西側_墓主肖像_詳細_門下倍 | ||
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安岳3号墳西側室の墓主肖像図の中で、省事の右側に立っている官吏の姿である。この人物の右側には「門下倍」という赤い墨書銘が見える。したがって、この人物が門下倍という官職を持つ人物であることが分かる。門下倍は、中国側史料にも見られない官職名であるが、図上の特徴からいくつかの推測は可能と思われる。まず、この人物は記室や省事よりもはるかに小さい姿で描写されているため、門下倍という身分が彼らよりも高くないと判断できる。また、両手に木簡の束を持って省事の背後に立っていることから、省事の残務処理をする下級官吏である可能性が高い。
人物の外見は、やはり他の二人の文官と同じ衣冠の特徴と目鼻立ちの姿を見せている。当時の絵画水準が、緻密で精巧な表現は可能であったとしても、人物の個性的な表現には非常に劣っていたことが分かる。