Title | 玄室_東壁_楽舞図_踊る西域人 | ||
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安岳3号墳玄室東壁に描かれた楽舞図に登場する踊る西域人の詳細図である。興味深いのは、西域人の濃い肌を表現しようとしてか、顔や手、足がすべて濃い肌色で彩色されている点である。縮れた髪と大きな鼻は、西域人の特徴をよく表している。画面の踊り子は、足をX字に交差したまま手を叩きながら踊っている姿が捉えられている。このように、足を組んで踊る踊りを「胡旋舞」という。衣服はチョゴリと足首で筒が狭くなるパジをを着用している。パジの裾には赤線で表現されたひだが見られる。文献記録を見ると、当時はソグド人(中央アジアのサマルカンド地域を根拠地とし、シルクロードで東西貿易を仲介した西域の商人。漢代から中国で集団で居住して西域の文化と物質文明はもちろん、宗教まで伝播する役割を果たした)と呼ばれる世界的な西域商人が、中国の遼東地域にまで分布していたとされている。ソグド人が朝鮮半島北部まで渡って来て、東西文化をつなぐ仲介役をしていたことが壁画で確認できる。