水山里壁画古墳玄室の墓主夫妻生活図に登場する毛の扇である麈尾(麈尾:馬尾毛や布などで作った毛の扇で、古代中国では高い身分を象徴)である。麈尾は墓主の権威を示す象徴で、中国から伝わったものである。一般的に墓主が手に持つ形態で描写されるが、ここでは墓主の横に立てておいた形態で描写されている。 画面の麈尾は、黄色の三角形の毛の扇で、中央には鬼面が装飾されている。大きく見開いた目や何でも飲み込んでしまいそうな大きな口などが、恐ろしい鬼面の姿をよく表現している。扇の下に曲がった持ち手がついている。